おうちごはんの質が向上すると、外食や中食に興味がなくなります。
本当の美味しさを、身体で覚えてしまうから。
そういった『産業の味』や『科学の味』を、求めなくなるんですね。
現代の外食や中食は、味付けはよく出来ていると感じます。
舌で感じる美味しさでいえば、手作りするより遥かにウマイものがたくさんあります。
でも、やっぱり手料理が一番美味しいと感じるのはなぜか。
その答えは、目に見えない、舌だけでは判断できない『栄養価』や『質』にあると思うのです。
人間をはじめとする生物はみな、生きるために最適な形に進化し
生まれながらに、必要なシステムを兼ね備えています。
生きるためには、食物からエネルギーを確保せねばなりません。
美味しい、心地よい、といった快楽は、すべて本能的欲求が満たされた時に感じます。
本能的欲求というのは、命をつなぎ、子孫を残すという、生物の本能的行動に基づいています。
命をつないでくれるエネルギーを持つ食物を食べた時、快楽を感じるのは
生きるために必要なものが満たされるからなのです。
さらに、生きるためには、健康維持が必要です。
健康維持には、エネルギーのみならず、その他あらゆる栄養素が必要です。
その栄養素は、消化吸収代謝というプロセスを経て、全身の細胞へと運ばれます。
ということは、摂食行動によって、私たちは全身でその美味しさを享受しているということ。
私は、特にお教室を始めてからのこの1年、ますますそれを実感しています。
外食や中食より、自分で作るおうちごはんのほうが、何倍も美味しいのです。
それは、おうちごはんの質が良い証拠でもあると思います。
おうちごはんの質を上げる、まず最初のステップが
『本物のヘルシー』を理解し、塩を整えること。
この2点を抑えるだけでも、毎日のおうちごはんの質がぐんと底上げされますよ。
残念ながら、どんなに美味しい外食や中食でも、この2点はなかなか揃いません。
頭で理解し、その違いを、身体で感じられることが大切です。
舌や脳だけでなく、全身で感じる美味しさを、習慣化していきたいですね。